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スマートウォッチ派?腕時計派?何もつけない派? 選択に表れる生活者の価値観



スマートウォッチ・腕時計・何もつけない派のイメージ

スマートウォッチ、腕時計、それとも何もつけない。

時間の確認方法ひとつをとっても、生活者が何を心地よいと感じ、何を負担に感じているのかが見えてきます。

リビングWebで実施したアンケートでは、377人の回答のうち、「何もつけない派」が42.4%、「腕時計派」が34.5%、「スマートウォッチ派」が23.1%という結果でした。数字だけを見ると、最も多いのは「何もつけない派」です。ただ、寄せられたコメントをたどっていくと、それぞれが選ばれている理由はかなり異なっていました。

そこにあるのは、単なる持ち物の好みではありません。何がラクなのか、何が心地よいのか、何に手間を感じるのか。そんな日々の感覚が、「時間をどう見るか」という小さな選択にも表れていました。

 

スマートウォッチ派?腕時計派?何もつけない派?


スマートウォッチ・腕時計・何もつけない派の割合グラフ

調査概要

  • 調査対象:全国のリビングWeb読者
  • 調査実施時期:2026年4月2日~4月8日
  • 投票数:377
  • 有効コメント数:149

 

最も多かったのは「何もつけない派」

選ばれていたのは、便利さより“負担のなさ”

今回、最も多かったのは「何もつけない派」でした。背景にあったのは、スマホがあるから十分、という理由だけではありません。つけ外しの手間や日常動作の邪魔、肌への負担など、腕につけること自体を面倒に感じる声が目立ちました。

  • 「携帯あるし、時計の付け外しとかお手入れが面倒なので私は付けません。でもやっぱり友達が立派な時計をつけていると、いいなぁと思うし欲しくなります!」(みーさん/36歳/女性/東京都)
  • 「子どもが生まれるまでは腕時計が大好きで、コレクションしていたくらいでしたが、子どもが生まれてからは、抱っこする時にすごく邪魔に感じて、そこからまったく着けなくなりました。子育ても終わろうとしていますが、かれこれ20年以上腕時計は着けていません。(笑)」(すずりんさん/53歳/女性/兵庫県)
  • 「手を洗う時に邪魔なのでつけない。他にも引っかかるし、重いし、気になるし、必要がない」(まりももさん/47歳/女性/東京都)
  • 「昔はレトロなアンティーク風の腕時計を着けていたが、皮膚が弱く金属アレルギーになり苦労したため、腕時計はおろか貴金属類のアクセサリーも滅多に着けなくなった。同時に携帯電話、スマホの普及で時計はほぼ要らなくなったので、もう2度と買わないと思う。少し寂しい気もするが…」(もりーさん/44歳/女性/岩手県)

 

こうした声からうかがえるのは、「機能が足りないから使わない」のではなく、「これ以上、日常の負担を増やしたくない」という感覚です。時間は確認できればよく、そのために着脱や手入れ、違和感を引き受ける必要はない。何もつけないという選択は、消極的というより、日常を少しでも軽くしておきたいという判断に近いのかもしれません。

 

★ヒント★

  • 「便利」よりも先に、「邪魔にならない」「手間が増えない」が選ばれる場面がある。
  • 子育て中や多忙層に向けた訴求では、“身軽さ”や“ストレスの少なさ”が有効な切り口になりうる。

 

腕時計派が選んでいるのは、シンプルさと心地よさ

“ひと目でわかる”ことには、まだ代えがたい価値がある

一方で、腕時計派のコメントからは、スマホやスマートウォッチでは置き換えにくい価値が見えてきました。ひと目で時間がわかること、アナログ表示の感覚的なわかりやすさ、そして身につける満足感です。

 

  • 「スマートウォッチを使っていたが、充電が面倒。スマホも充電、スマートウォッチも充電。充電ばかりの毎日がイヤになった。今は太陽光で充電、電波で時刻も自動補正してくれるG-SHOCKを愛用中です」(まいこすもすさん/45歳/女性/大阪府)
  • 「ひと目で時間の分かる針式時計が一番」(タケタケさん/63歳/男性/福島県)
  • 「アナログ時計の文字盤のほうが、時間を体感しやすいからです。」(赤いダイヤさん/60歳/女性/大阪府)
  • 「腕時計はファッションの一部の感覚で、着こなしに彩りをプラスしてくれるから好きです」(紅茶マフィンさん/52歳/女性/広島県)
  • 「腕時計派です。以前スマートウォッチつけてたんですけど、通知が多すぎて、今目の前の作業に集中できなくて(私の場合は)、アナログな腕時計にしましたー」(なかこさん/40歳/女性/埼玉県)

 

腕時計派の声を読んでいると、シンプルであることは決して物足りなさではありません。通知が来ないこと、充電を気にしなくてよいこと、見たい時にすっと確認できることが、むしろ快適さにつながっています。さらに、時計は実用品であると同時に、装いの一部でもあります。見やすさと気分のよさ、その両方を満たしているところに、この選択肢の根強さがあります。

 

★ヒント★

  • シンプルさは弱みではなく、集中しやすさや扱いやすさとして評価されている。
  • 機能訴求だけでなく、「気分が整う」「長く使いたくなる」といった感覚価値も切り口になる。

 

スマートウォッチ派は“便利そう”ではなく“役に立つ”で選んでいる

通知、健康管理、時短。価値はかなり具体的

スマートウォッチ派のコメントで印象的だったのは、使う理由がかなり具体的だったことです。通知確認、着信対応、歩数、消費カロリー、睡眠、心拍数など、生活の中で役立つ場面がはっきりしています。

 

  • 「ここ数年はアップルウォッチ一択! iPhoneなので連動してて使いやすい。充電はお風呂に入ってる間に必ずして、就寝時も付けてます」(るるさん/38歳/女性/大阪府)
  • 「元々腕時計派でしたが、歩数計代わりにスマートウォッチを付けるようになりました。今ではスマホのラインや電話着信をスマホを取り出さなくても確認できることが、とても便利だと感じています」(昭江さん/67歳/女性/広島県)
  • 「スマホが時計代わりでしたが、都度カバンやポケットから出して..が意外と手間になることが多かったのと、ヨガを習い始めたので消費カロリー見たくてスマートウォッチです。睡眠中の心拍数の異常も通知があるので健康を気にするようになりました」((^^)さん/54歳/女性)
  • 「元々は何もつけない派だったんですが、5年前に心臓病がわかったことをきっかけにAppleWatchを利用するようになりました。不整脈が起きた時に、心電図を自分で測れるのが購入した理由です。自宅で取った心電図の波形を診察時に提出し、診断の参考にしていただいています」(ちいさん/60歳/女性/兵庫県)

 

スマートウォッチが選ばれている理由は、単なる新しさではありません。スマホを出す手間が減ること、日々の行動が可視化されること、体調管理の助けになること。そうした具体的な便益が、継続的な利用につながっています。とくに健康に関する機能は、便利機能というより安心につながる要素として受け止められていることがわかります。

 

★ヒント★

  • 高機能であること自体より、「どんな手間が減るか」「どんな安心につながるか」が重要である。
  • 健康管理系の機能は、スペック説明より生活場面に引きつけて見せたほうが伝わりやすい。

 

見えてきたのは、3つの生活者像である

今回の調査結果を整理すると、生活者は大きく3つの価値観に分かれていると考えられます。

 

1.負担を増やしたくない人

何もつけない派に多く見られたのは、「ラク」「邪魔にならない」「管理不要」を重視する感覚です。この層には、機能追加ではなく、負担削減の訴求が有効です。

 

2.快適に把握したい人

腕時計派に見られたのは、「ひと目でわかる」「迷わない」「身につけて気分がいい」という価値観です。この層には、直感性、愛着、長く使える安心感が刺さります。

 

3.効率よく管理したい人

スマートウォッチ派に多かったのは、「確認の手間を減らしたい」「健康も含めて管理したい」というニーズです。この層には、具体的な使用シーンと便益が重要になります。

 

この3分類は、時計カテゴリーだけに閉じません。美容家電、日用品、食品宅配、決済サービス、保険、住宅設備など、あらゆる商材に応用できる視点です。

 

生活者は、同じ商品を前にしても、
「ラクだから選ぶ人」
「心地よいから選ぶ人」
「管理しやすいから選ぶ人」
に分かれています。

 

同じ商品特徴でも、どの価値観の人に向けて語るかで、伝わり方は変わります。便利さを打ち出すより、負担の少なさを伝えたほうが響く場合もある。逆に、見た目や気分価値より、管理のしやすさを明確に示したほうが動く場合もある。生活者の選択は、そうした訴求の分かれ道を示しています。

 

選ばれているのは、モノではなく価値観

今回のアンケートで見えてきたのは、生活者が機能の多さや新しさだけで選んでいないということです。何もつけない派は、身軽さや煩わしさのなさを選んでいる。腕時計派は、見やすさや身につける心地よさを選んでいる。スマートウォッチ派は、時短や健康管理といった実益を選んでいる。重視している価値が違うからこそ、同じ「時間を見る」という行為でも選ばれ方が分かれています。

 

こうしてコメントをたどっていくと、生活者が見ているのはスペック表の違いだけではなく、もっと日常に近い感覚であることがわかります。何が面倒なのか。何が安心なのか。どんな時に快適なのか。そうした声の中には、商品企画や訴求づくりのヒントがそのまま含まれています。

 

身近なテーマほど、生活者の本音は出やすいものです。時間の見方をめぐる今回のアンケートもまた、いま何が選ばれ、なぜそう選ばれているのかを考える手がかりになりそうです。

 
リビングWeb「あなたはどっち」


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