2026年4月28日
スマートウォッチ、腕時計、それとも何もつけない。
時間の確認方法ひとつをとっても、生活者が何を心地よいと感じ、何を負担に感じているのかが見えてきます。
リビングWebで実施したアンケートでは、377人の回答のうち、「何もつけない派」が42.4%、「腕時計派」が34.5%、「スマートウォッチ派」が23.1%という結果でした。数字だけを見ると、最も多いのは「何もつけない派」です。ただ、寄せられたコメントをたどっていくと、それぞれが選ばれている理由はかなり異なっていました。
そこにあるのは、単なる持ち物の好みではありません。何がラクなのか、何が心地よいのか、何に手間を感じるのか。そんな日々の感覚が、「時間をどう見るか」という小さな選択にも表れていました。
選ばれていたのは、便利さより“負担のなさ”
今回、最も多かったのは「何もつけない派」でした。背景にあったのは、スマホがあるから十分、という理由だけではありません。つけ外しの手間や日常動作の邪魔、肌への負担など、腕につけること自体を面倒に感じる声が目立ちました。
こうした声からうかがえるのは、「機能が足りないから使わない」のではなく、「これ以上、日常の負担を増やしたくない」という感覚です。時間は確認できればよく、そのために着脱や手入れ、違和感を引き受ける必要はない。何もつけないという選択は、消極的というより、日常を少しでも軽くしておきたいという判断に近いのかもしれません。
“ひと目でわかる”ことには、まだ代えがたい価値がある
一方で、腕時計派のコメントからは、スマホやスマートウォッチでは置き換えにくい価値が見えてきました。ひと目で時間がわかること、アナログ表示の感覚的なわかりやすさ、そして身につける満足感です。
腕時計派の声を読んでいると、シンプルであることは決して物足りなさではありません。通知が来ないこと、充電を気にしなくてよいこと、見たい時にすっと確認できることが、むしろ快適さにつながっています。さらに、時計は実用品であると同時に、装いの一部でもあります。見やすさと気分のよさ、その両方を満たしているところに、この選択肢の根強さがあります。
通知、健康管理、時短。価値はかなり具体的
スマートウォッチ派のコメントで印象的だったのは、使う理由がかなり具体的だったことです。通知確認、着信対応、歩数、消費カロリー、睡眠、心拍数など、生活の中で役立つ場面がはっきりしています。
スマートウォッチが選ばれている理由は、単なる新しさではありません。スマホを出す手間が減ること、日々の行動が可視化されること、体調管理の助けになること。そうした具体的な便益が、継続的な利用につながっています。とくに健康に関する機能は、便利機能というより安心につながる要素として受け止められていることがわかります。
今回の調査結果を整理すると、生活者は大きく3つの価値観に分かれていると考えられます。
何もつけない派に多く見られたのは、「ラク」「邪魔にならない」「管理不要」を重視する感覚です。この層には、機能追加ではなく、負担削減の訴求が有効です。
腕時計派に見られたのは、「ひと目でわかる」「迷わない」「身につけて気分がいい」という価値観です。この層には、直感性、愛着、長く使える安心感が刺さります。
スマートウォッチ派に多かったのは、「確認の手間を減らしたい」「健康も含めて管理したい」というニーズです。この層には、具体的な使用シーンと便益が重要になります。
この3分類は、時計カテゴリーだけに閉じません。美容家電、日用品、食品宅配、決済サービス、保険、住宅設備など、あらゆる商材に応用できる視点です。
生活者は、同じ商品を前にしても、
「ラクだから選ぶ人」
「心地よいから選ぶ人」
「管理しやすいから選ぶ人」
に分かれています。
同じ商品特徴でも、どの価値観の人に向けて語るかで、伝わり方は変わります。便利さを打ち出すより、負担の少なさを伝えたほうが響く場合もある。逆に、見た目や気分価値より、管理のしやすさを明確に示したほうが動く場合もある。生活者の選択は、そうした訴求の分かれ道を示しています。
今回のアンケートで見えてきたのは、生活者が機能の多さや新しさだけで選んでいないということです。何もつけない派は、身軽さや煩わしさのなさを選んでいる。腕時計派は、見やすさや身につける心地よさを選んでいる。スマートウォッチ派は、時短や健康管理といった実益を選んでいる。重視している価値が違うからこそ、同じ「時間を見る」という行為でも選ばれ方が分かれています。
こうしてコメントをたどっていくと、生活者が見ているのはスペック表の違いだけではなく、もっと日常に近い感覚であることがわかります。何が面倒なのか。何が安心なのか。どんな時に快適なのか。そうした声の中には、商品企画や訴求づくりのヒントがそのまま含まれています。
身近なテーマほど、生活者の本音は出やすいものです。時間の見方をめぐる今回のアンケートもまた、いま何が選ばれ、なぜそう選ばれているのかを考える手がかりになりそうです。
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