2026年8月30日
ハンディファン、ネックリング、冷感タオル。夏になると、さまざまな冷却グッズが店頭に並びます。
どの商品も「涼しさ」を売りにしていますが、実際に使う人は、冷たさや風量だけで選んでいるわけではないようです。
リビングWebの投票コンテンツ「あなたはどっち?」で、「ハンディファン派?それとも冷感アイテム派?猛暑を乗り切る『持ち歩き冷却グッズ』教えて!」と聞いたところ、149人が回答しました。
最も多かったのは「その他のグッズ(扇子・氷嚢など)」で33.6%。続いて「ハンディファン」が26.8%、「ネックリング」が22.1%、「冷感タオル」が17.4%となりました。
ただし、「その他」には扇子、氷嚢、保冷剤、日傘、帽子、冷感ウェア、空調服、冷たい飲み物などが含まれています。特定の商品が支持を集めたというより、それぞれが自分に合った方法を探している結果と見るほうがよさそうです。
68件のコメントを読むと、冷却グッズを選ぶときに気にしていることも見えてきました。
片手がふさがる。充電が必要になる。すぐにぬるくなる。服が濡れる。音や風が気になる。持ち歩く荷物が増える。
生活者は、涼しさだけでなく、「使っている間にどのような不便があるか」も比べています。
昔ながらの扇子や身近な保冷剤も、選択肢に入っている
「その他のグッズ」で目立ったのが、扇子を使っている人の声です。
扇子は、風量や冷却性能でハンディファンに勝る商品ではありません。それでも、軽い、かさばらない、充電がいらない、音が出ないといった点が評価されています。
保冷剤を使っている人もいました。
専用の冷却グッズでなくても、自分が使いやすければ十分。そんな考え方がうかがえます。
ハンディファンの競合は、別のハンディファンだけではありません。生活者は扇子や保冷剤、日傘まで含めて、「暑さをどうしのぐか」を考えています。
同じ風でも、使う人や場所によって評価が変わる
ハンディファンを選んだ人からは、風がある安心感や、充電しておけば長時間使える点を評価する声が寄せられました。
一方で、気温が高い日は風が生ぬるく感じるという声もあります。風そのものが苦手な人もいました。
同じハンディファンでも、「風があるだけで違う」と感じる人と、「熱い風が来る」「目が乾く」と感じる人がいます。
商品の性能だけでは、こうした違いまでは説明できません。使う場所、気温、利用時間、風への感じ方によって、評価は変わります。
涼しさだけでなく、いつも通りに動けるか
ネックリングを選んだ人からは、両手が使えることを挙げる声がありました。
通勤中ならバッグやスマートフォンを持ちます。買い物中は荷物が増えます。子どもと一緒なら、手をつなぐこともあるでしょう。
ハンディファンを手に持つこと自体は、ほんの小さな負担に見えます。しかし、日傘や荷物も持っている場面では、その「片手」が商品選びを左右します。
冷却グッズが選ばれる理由は、涼しさだけではありません。暑い中でも、いつも通りに動けるかどうかも大切な条件になっています。
生活者が知りたいのは、商品の一番よい状態だけではない
ネックリングには、首に掛けるだけで使える手軽さがあります。その一方で、効果が続く時間に不満を感じる人もいます。
広告では、使い始めの冷たさや涼しさが中心になります。しかし、生活者が気にしているのは、その後です。
どのくらい冷たさが続くのか。外出先でも冷たさを戻せるのか。ぬるくなった商品をどう持ち歩くのか。濡れたタオルをバッグに入れても大丈夫なのか。
購入前に知りたいのは、商品の一番よい状態だけではありません。効果が弱くなった後のことまで分かると、実際の生活に取り入れられるか判断しやすくなります。
通勤、仕事、スポーツ観戦。場面に合わせて使い分ける
今回の投票は四つの選択肢から一つを選ぶ形式でしたが、コメントを見ると、一つのグッズだけを使っている人ばかりではありません。
中には、通勤時にいくつもの対策を重ねている人もいます。
通勤、仕事、ウォーキング、スポーツ観戦。短い移動と長時間の外出でも、必要な対策は変わります。
生活者は「ハンディファン派」「冷感タオル派」と一つに分かれているわけではありません。その日の予定や一緒に出かける人に合わせて、いくつかの対策を組み合わせています。
ここからは、今回のコメントを広告や販促の側から考えてみます
ハンディファンと比較されているのは、別のハンディファンやネックリングだけではありません。扇子、保冷剤、日傘、飲み物なども選択肢に入っています。
「自社商品と似ているか」ではなく、「生活者が同じ困り事を解決するために使っているか」という視点で競合を見る必要があります。
重さ、音、充電時間、持続時間、両手が使えるか、服が濡れないか、使用後に持ち歩けるか。生活者は、こうした細かな点も見ています。
商品の弱点をすべて隠すより、「どのような人や場面に向いているか」を示したほうが、自分に合う商品か判断しやすくなります。
冷却温度や最大風量だけでなく、「通勤時間なら充電なしで使える」「使用後は折りたたんでバッグに入れられる」など、実際の行動に置き換えた説明も必要です。
「通勤に便利」「仕事中も両手が使える」「屋外イベントで長時間使える」など、場面が具体的になるほど、自分に合う商品か判断しやすくなります。
外出時間や行動別に商品を紹介したり、日傘と冷却グッズを組み合わせたりする提案も考えられます。
一つの商品ですべてを解決する見せ方だけでなく、場面によって使い分けることを前提にした売り方にも余地がありそうです。
今回の投票では、「その他のグッズ」が33.6%で最も多くなりました。
ただ、扇子や保冷剤がハンディファンより優れている、という結果ではありません。コメントから分かるのは、誰にとっても一番よい冷却グッズはないということです。
冷たくても、すぐにぬるくなる。風が出ても、片手がふさがる。手軽でも、服やバッグが濡れる。高機能でも、重かったり充電が必要だったりする。
生活者は、それぞれの効果と不便を比べながら、自分の生活に取り入れやすいものを選んでいます。
暑さ対策グッズを紹介するとき、「どれだけ冷たいか」「どれだけ風が強いか」だけでは、十分に伝わらないのかもしれません。
いつ、どこで、どのくらいの時間使えるのか。使っている間も普段通りに動けるのか。効果が切れた後はどうすればよいのか。
生活者が知りたいのは、スペックだけではなく、実際に持ち歩いたときのことです。そこまで伝えられるかどうかが、商品を選ぶ際の判断材料になりそうです。
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