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女性蔑視発言は身近なところにも?職場での性差別の実情を調査


”あの人”の発言だけじゃない! 職場での女性の立場って?

「一億総活躍社会を目指す」と国が女性の社会進出に対して本腰を入れてきたと思いきや、先日東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗元会長が女性蔑視発言をして辞任するというニュースが。平成初期のころに比べれば、社会の女性に対する意識は変わってきたようですが、まだまだ厳しいところも。そこで今回は、現在の職場における女性蔑視発言について調査をしてみました。

 

 

Q.職場で女性蔑視と感じる発言を聞いたことがある?

DATA
ある…79%
ない…21%


※シティリビングWebでアンケートを実施
※有効回答数:97人
※アンケート実施期間:2021/3/3~2021/3/17

 

 

■お茶出しやコピーなど、仕事内容に対する女性蔑視発言たち

  • 今の職場は外資系なのでそのような差別は一切ありませんが、新卒で働いていた日本の大企業では女性だけに「お茶当番」があり、給茶設備の清掃や上司(雛壇と呼ばれる上級管理職)へのお茶出し、受付の生け花までが仕事でした。また、某省庁からの天下りのおじいちゃんたちのお相手も仕事のうち。飲み会では酔った天下りのおじいちゃんに足やお尻をタッチされるなんて当たり前でした。入社当初女性は40歳になっても「女の子」と呼ばれていましたが、2000年も過ぎたあたりから「女性」と言われるようになったと記憶しています…(あっきー)
  • 退職などで有志で「プレゼントと花を贈ろう」となりますが、必ず女性の事務が商品の選定・発注・受取・お金の徴収・退職者のスケジュール調整まで押し付けられます。部署に1、2人しかいないのですが、退職や派遣社員の契約終了でも行われるので結構頻繁にあります。「有志なら輪番制に」と言いましたが「こういうのは女性の事務職がやるものだ」と言われます。やらないと「あなたは優しくない」と言われます。 会社の業務としてならやりますが、「有志」なら有志の中で他の人がやっても構わないはず。「女性蔑視」だけでなく「職種差別」もセットです(ままかり)
  • 今の会社に入って4年目だけど男性上司、男性同僚からコピーを頼まれた。久しぶりすぎてプリンターに行く前に自分がフリーズした(あの日のよっしー)
  • そのとき上司だった役員に「女子社員は机に座って電話番だけしていればいいんだよ」と言われました。こんなことを言う役員がいる会社は将来性がないなと感じました(もこもこ)
  • 電話応対、お茶出し、コップ洗い、掃除、ゴミ片付け、廃棄書類シュレッダー、荷物運搬、コピー用紙補充、備品補充は、当然のように女性の仕事。中には力のいることもあるし、男性も同じように使っているのに、男性は散らかすだけで、知らん顔。男女平等の教育を受けてきているはず。つまりは、入社してから、イヤなこと、面倒なことは女性に押し付けることを刷り込まれているのだ。これでは永遠に改善など見込めない(こんた)
  • 電話にまーーーったく出ない!無反応にもほどがあります!ほかにも、女性が来客・電話対応するべきだと大きい声で言ってた人が、着信番号を見て会長からだとわかると1コールでる…なんだかなぁ(あい)
  • お客さまへのお茶出しや、上司が買ってきたお土産配りは、なぜか女性。取引先との懇親会も
  • 場が華やかになるからという理由で、普段仕事に係わってもいないのに来いといわれる。全てコロナのおかげで今はなくなったけど、不愉快だった(なつ男)
  • 月曜日朝の10分間の掃除は、女性のみ!ポットのお湯も男性は入れないなど…昭和感強すぎて2ヶ月で転職しました!(シズカ)
  • 仕事内容に疑問があり方法を変えてみてはどうかと意見をしたら「更年期なんじゃないのか!」と回答にならない答えが。その後吸っていたタバコの煙を至近距離でわざと顔にかけられました。 女性蔑視云々よりも、人として心底軽蔑する社長でした(こうねこ)

 

■給料や昇給…待遇に関する女性蔑視発言あれこれ

  • 今回のコロナ禍の休業要請にしても男性社員中心でシフトを組み、強制的にコロナ休暇を取らされているが表面上、上司は通勤時間を考慮し感染リスクを減らす為と。ただ、男性社員は感染リスクの高い人や千葉や神奈川の遠距離でも出勤している。また私が成果を出しても昇給せず評価されないことに対して外資系企業なのに別の妻帯者男性社員を引き合いに出し家族持ちなのに給料が私と大差なく気の毒だと言う上司の対応に驚いた(アンドレア)
  • 給料形態が男性と異なるところからスタートして、最近同じように変更されたが、実際の給料を知らないため、制度は変わったが、溝は埋まっていないと考えています。ちなみに同じ仕事内容をやっています(ここここん)
  • 社葬があったとき、ものすごく寒い冬で、お寺・葬儀の方々だけでは手が足りず、女性社員が駆り出されました。けれども、男性社員はずっとストーブのある部屋で懇談中。冷たい廊下をスリッパは履いては駄目、と上司から言われました。パタパタ歩いていると働いていないように見えるから、と。「ハァ!?」と思ってしまった。そして「いやあ、男性社員を休日に働かせると日当を出さなくちゃならないけど、女性がいるから良かったよ」と。女性はタダ働きをして当たり前だということです。最後に、「今日は寒かったから風邪をひきました。会社を休みます、なんて次の日に言わないように!」だと。バカにしやがって。もちろん、文句を言いましたが、その上司は「一体、何を怒っているの?」とまるで分らないようでした。いったい、戦後のどういう教育を受けてきたのでしょう(菜の花の辛し和え)
  • 既婚女性に対して「評価が低くても生活に支障ないから(既婚女性は)評価が低くてもいいでしょう」「男性には家族がいる」という発言があった。この会社では、既婚女性は頑張っても無駄だと感じた(chaco)
  • チームに欠員が出て新しい人を採用する準備を進めているとき、上司から言われた言葉にあぜんとした。「女性は結婚したら辞めるか、すぐ妊娠して産休とるから要らない」「あぁ、あなたはもうそんな年だから結婚は考えてないだろうし、できないだろうからいいけどさ」と(ありゃま)
  • 同じ仕事内容をしているのに私は定時でさっさと済ませて仕事をしてるのに、「女は定時に上がれていいな」と言われる(もか)

 

■セクハラ? 見た目や性に対する女性蔑視発言

  • 管理職の女性に対して「年を考えないで華やかなスカートを履いたりして、頑張り過ぎ」と笑いながらの発言を聞いた。年齢と服装を見下していてとても不快に思った(たんぽぽ)
  • 仕事の頼まれごと引き受けたら「ありがとう、お礼に今度デートしよう」と言われる。なんでお礼になると思ってるのかが心底疑問です。「女の子に入れてもらったお茶のほうが美味しい」と言われてお茶出しを指示されたり、社内結婚したら、「もう旦那以上に出世はできないね」といわれたり、枚挙に暇がないほど(れーこ)
  • 30歳を過ぎると「オバサン」と呼んでくる男性がどこの職場でもいた。決まって40代以上の男性で、自分の立場が悪くなると唐突にニヤニヤと「オバサン」呼ばわりする。同じ30歳の男性には「オジサン」とは絶対に呼びかけない。女性蔑視の家庭で育ったのかと思う(たまり)
  • 更新面談の際、結婚について聞かれ、「予定はない」というと、「幸せになっていいんやで」と言われた。未婚女性は不幸なのか?(ぴーきち)
  • 綺麗な人って出世を望まないと思うよって言われました。え?私はどっち??って思いました(たか)
  • 「女の子」と呼ばれる。 飲み会のときに、主賓の両側に女性を座らせる(ことら)
  • 何かにつけて「セクハラと言われそうだな」と笑いながら言われるのがとてもイヤです。そんな風に思っているのなら、最初からくだらないことを言わないで、しないで!(デイジー)

 

■ちょっと待って! 女性も気を付けたい場面

  • 上司は完全な団塊世代で、息子が3人いるのですが家事育児は何一つやらなかったのを自慢にしてるような化石人。育休から復帰した女性の部下が残業していたら「育児放棄や! 虐待やな」と笑いながらフロアに響き渡る声で。自分の部下が抱えきれない業務を必死で遂行してるのにフォローするのが上司の仕事じゃないのかよ!とあぜんとしました。以来、こんな上司では信頼関係は築けないと一線引いています。 また、女性も悪気のない発言に気を付けないとと思う場面がありました。年末の大掃除の際に、体格のよい若手男性社員がかなり重い段ボールを一人で運んでいるのを見て同僚(女性)が「よ!さすが男の子!」と何度も発していて、励ますつもりで言っていたと思うのですが自分も気づかないうちに同じようなこと言ってるかもしれないと、はっとしました(ボム)
  • 男性から発せられる、女性に対する誉め言葉は、言う人によって「気持ち悪い」などマイナスに受け止められる。でも女性は平気で「誰それがイケメン」だの「男らしい」だの言う。女性から男性に対する軽視発言は取りざたされないのが変だなと思う。そういった女性側の矛盾があるから、男性からの蔑視・軽視発言はなくならないのだと思う。とかいうと、女性のくせに!と女性に言われる(ちさ)
  • 女性管理職の割合を増やすといっていますが、実力もないのに女性枠で管理職にさせられるのは本人にも組織にもマイナスと思います。実力ありきだと思うので、まずは対象者のスキルの底上げをしなければならないと思います(ごじゅ)

 

 

【まとめ】約8割が「職場で女性蔑視発言がある」半数以上が役割分担に男女比を感じている

なんと職場で女性蔑視発言を聞いたことがあると答えた女性は約8割。4人に3人がなんらかの女性サゲ発言を経験していることがわかりました。令和の時代でも、まだまだ女性に対する意識が低い環境は存在するようです。

 

また、「発言以外に職場で女性蔑視を感じる場面は?(複数回答)」という質問で最も多かったのが「役割分担」(56%)でした。コメントを見ても「お茶くみを頼まれる」「電話番は女性だけ」など、雑用は基本的に女性の仕事になりやすい傾向があるようです。次いで、「人事」(45%)、「仕事内容」(44%)、「職場の食事会」(43%)、「給与」(40%)、「服装」(40%)などの場面も同じくらいの割合で女性蔑視と感じられる状況が見られるよう。まだまだ待遇面での男女平等は難しいようです。

 

とはいえ女性からも、男らしさを求めたり、むやみやたらに女性を管理職にしたりということに対して疑問の声も。お互いに性別に縛られず、フラットな環境を築く努力をしていくことが、働きやすい社会の一歩なのかもしれません。

 

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